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記事: Poetry of SexからsilkmasterSBへ。 日本の印刷職人が紡ぐ、スケートボードというアート

silkmasterSB

Poetry of SexからsilkmasterSBへ。 日本の印刷職人が紡ぐ、スケートボードというアート

スケートボードは、スポーツの枠を超え、「アート」や「ファッション」、「インテリア」といった分野と交わりながら、新しいカルチャーを生み出しています。
静岡発のプリントファクトリー、株式会社シルクマスターが手掛ける silkmasterSB(シルクマスターエスビー) は、スケートボードカルチャーを基盤に、新たな文化の創造に挑戦しています。

silkmasterSBでは、オリジナルスケートボードの製作を承っており、
このたび、自社によるアートデッキの販売を開始いたしました。

アートとストリートをつなぐ“DNA”──Poetry of Sexから始まった物語

 

1980年代後半。日本のストリートカルチャーがまだ「文化」として語られる前夜、
静岡でひとつのブランドが静かに誕生しました。
その名は 「Poetry of Sex(ポエトリー・オブ・セックス)」

Tシャツやパーカなどのカットソーをキャンバスに、
社会や感情を詩的かつストリートな感性で表現したブランドで、
アート、音楽、ファッションを自由に行き来するデザイン性で注目を集めました。

「Poetry(詩)」と「Sex(生)」という、
対照的な言葉を並べたその名には、
“理性と衝動”、“静と動”、“完成と未完成”といった、
人間の二面性や生のリアリティを表現する意味が込められていました。

グラフィックはどれも自社独自のシルクスクリーンプリント。
コラージュの用にTシャツ内でレイアウトするそのスタイルは、
いまの時代の“クラフトカルチャー”の先駆けと言っても過言ではありません。


Poetry of Sexが残した美意識

Poetry of Sex は一時期、東京のストリートシーンとも共鳴し、
ファッション誌やバイヤーの間で密かに語られる存在でした。
しかし、戸塚明が重視していたのは“流行”ではなく“表現そのもの”。
あくまで、自分たちの感性を自由に刷り上げる「アートの実験場」でした。

「Poetry of Sexは、僕にとって“詩を書くようにTシャツを刷る”ブランドだった。
その延長線上に、今のsilkmasterSBがあるんです。」
——株式会社シルクマスター 代表取締役 戸塚 明

ブランドは数年で幕を閉じましたが、
“表現者としてのマインド”と“印刷職人としての誇り”という二つの精神は
シルクマスターのものづくりの根底に脈々と息づいています。


スケートボードをアートに。ープリント技術の挑戦

 

Poetry of Sexで磨かれた「プリントを表現と捉える感性」は、
2021年、スケートボードという新たなキャンバスに姿を変えました。

Tシャツと違い、スケートボードは湾曲した硬い木材。
その上に、色彩豊かなアートを忠実に再現するには、
素材・圧力・インクの定着・光沢——すべてが新しい挑戦でした。

職人たちは2年半の試行錯誤を重ね、
**「1枚からでも完璧なプリントを実現する」**仕組みを確立。

蛍光、箔、マット、蓄光、パール…。
アーティストごとに異なる作風を最大限引き出す“印刷表現”を、
1枚のデッキに込めています。


飾っても、滑っても、美しい。——“乗れるアート”という新しい価値

 

silkmasterSBのデッキは、
滑る楽しさと、飾る美しさの両立」をテーマに生まれました。

壁に掛ければギャラリーのように、
足元に置けばスケートカルチャーの象徴として。

7層のカナディアンメイプルとエポキシ樹脂を組み合わせた構造は、
本格的な競技使用にも耐える強度を誇ります。
見た目の美しさだけでなく、「実際に滑れるアート」としての完成度を追求しています。


アーティストとの共創——スケートボードがキャンバスになる

現在、silkmasterSBでは
イラストレーター・写真家・アニメーターなど60名以上のアーティストが参加。

各作家の世界観を印刷技術で最大限に再現し、
“アートとしてのデッキ” をひとつの新しい表現形式に押し上げています。

2021年には渋谷の「THE PLUG」で
『INDECKS PHOTO EXHIBITION』 を開催。
スケートボードがギャラリーに並ぶ光景は、
まさにPoetry of Sexが描いていた“アートとストリートの融合”そのものでした。


Poetry of Sexの精神を、世界へ。——Made in Japanの新しい挑戦

Poetry of Sexが教えてくれたのは、
「表現にルールはない」ということ。
その自由な精神を今、silkmasterSBが継承しています。

「日本の印刷職人が作るデッキを、
世界中の部屋やギャラリーに飾ってもらいたい。」
——戸塚 明

静岡の工場で刷られた1枚のデッキが、
東京を経て、世界のカルチャーシーンへと届く。
それは、Poetry of Sexが残した詩の続きを、
今の時代に書き換えていくプロジェクトなのです。


silkmasterSB|滑る楽しさ、飾る美しさ


 まとめ

  • Poetry of Sexは、“表現するために刷る”という思想の出発点。

  • そのマインドが、silkmasterSBという新たなカルチャーを生んだ。

  • Made in Japan の印刷技術が、スケートボードをアートに変える。

スケートボードは、詩であり、工芸であり、自由だ。
それが、Poetry of Sexから続く silkmasterSB の物語です。